2013/07/14

22DDH

 
海上自衛隊が『22DDH』(仮称)という護衛艦を建造しておりまして、再来年あたり完成するんですが、これがやたら大きくて驚きます。

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輸送艦の『おおすみ』が竣工したときも、甲板の幅なんか昔の軽空母に近いじゃないのと思ったけれど、こちらはもう段違い。退役艦の置き換えらしいですが、乗組員は増えているだろうし、隊員の負担が大きくならないのかな。

興味深いのは、このフネの艦名がどうなるかなんですね。戦後、旧帝国海軍の艦艇の名称を地道に受け継いできた海自ですが、21世紀に入って、ついに戦艦の名をつけた護衛艦が登場しました。『ひゅうが』と『いせ』で、これは艦名のプレス発表のとき、感嘆の声があがったらしい。いわくのある2艦だし、そもそも記者も好きな人多そうだしね。

太平洋戦争中に使われた日本海軍の戦艦(旧巡洋戦艦含む)12隻のうち、残っているのは『扶桑』『山城』『長門』『陸奥』、そして『大和』『武蔵』です。うーん、こりゃどうかなあ。うしろの4艦の名を受け継ぐことはまあないだろうな。
国民に親しまれた『長門』はまだいいとしても、同形艦の問題があります。『陸奥』はなかろうよ。戦後につくられた同名の某船も含め、どうにも縁起が悪すぎる。『扶桑』『山城』も、自慢の新鋭艦にはつけたくなかろう。どうするんでしょうね。

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2011/04/10

石原慎太郎再選

 
しょっちゅうパソコンを前にしている人は、ネット上の盛り上がりが世論だと勘違いしがちです。申し訳ないけど、石原当選に愕然としてるTwitterユーザーは、維新政党新風の躍進を確信する2ちゃんねらーと大差ありません。

それにしても、当選会見でパチンコ屋を罵倒する石原は凄い。私はパチンコしないけどさ、憎悪を駆り立てる政治家ってのは、もうおしまいなんだけどね。
 
 

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2011/03/27

原発の作業員 その2

 
きのうの続きです、ぜひ、前回分よりお読みください。

 
 
「原子力の安全性について、あなたはどう思いますか」
 

喋り終え、聴衆の反応に満足して腰掛けていた講演者(原子力発電所の下請け会社社員)の顔に動揺が走った。今回の集まりで、その手の質問を受けることを想定していなかったのは明らかだった。「えーと」 マイクを受け取り、彼は半笑いで答えた。

「日本の原発は安全ですよ。事故は絶対に起こらないんです」

質問者は再びマイクを要求し、重ねて問いかけた。

「絶対に安全といっても、放射能の問題や…」

客席の人々の間に、白けた雰囲気が広がった。その日の多くの参加者が望んでいない問いかけだった。かみあわない質問と答えが何度かやりとりされたあと、議論を打ち切ろうとした講演者はマイクを手に叫んだのだ。

 
「大丈夫なんです! 私を信じて下さい!」


こういう人たちが、原発の現場を支えているのか。学生時代に見て衝撃を受けた樋口健二の原発写真集を思い出し、私は涙が出そうになった。
 
 
彼は自分の人生を露悪的に語っていたが、気弱そうなところ、少狡そうなところも含めて、ごくごく一般的な中年男性であり、明らかに善人だった。恐らく彼はいつもこの言葉で妻子の不安をおさえ、そして自分の心の平穏を保ってきたのだ。

 
「政治的な問題は、今回の集まりの趣旨とは異なりますので、質問はこれで終わらせていただきます」

司会者が事務的に宣言し、講演は終わった。その後はそれぞれのテーブルで、参加者が食事をしながら語り合ったのだけれど、何を話し、聞いたのかまったく記憶がない。

 
 

http://www.asahi.com/national/update/0326/TKY201103260185.html?ref=reca
「東電、2号機の高放射線量を事前把握 作業員らに伝えず」(asahi.com 3/26)
 
 
 
原発の話は、次回ももう少し続けたいと思います。1980年代初頭に広瀬隆の著作に触れ、戦慄した苦い思い出です。同様の記憶をお持ちの40代の方も多いと思います。
 
「誰でも手に入る資料で」論をすすめ、立花隆を感心させた広瀬氏ですが、私はこの人物をどうしても尊敬できません。

 
次回に続きます。 

 
 

 
 
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2011/03/26

原発の作業員 その1

 
今から10年ほど前のこと。私は知人に誘われて、都心で開かれたある昼食会に出かけた。さまざまな分野で活躍している人どうしの交流の場を設けるという趣旨の集まりらしかった。私は最初の本を出版した直後だったので、駆け出しのライターという肩書きで参加したのだ。

神田の街を見下ろす某レストランの宴会場には円卓が並び、正面には演台が置かれている。100人近い人が集まっていたのではないだろうか。主催者の挨拶の後に、何人かが順番に演台に上がり、喋りはじめた。
 
講演会形式の集まりだとは思っていなかったので、私はちょっと驚いた。朝食を食べていなかったので、目の前に置かれた折り詰めが気になったが、誰も手を出している人はいない。参加者の多くは目を輝かせて話を聞き、よく笑っている。

 
3人目の演者の話が始まった。30代後半のこの男性は、仕事の話が中心だったそれまでのスピーチとは異なり、自分の人生について延々と語り始めた。結婚と離婚、ギャンブルにのめりこんだ日々、借金苦と自殺を考えた日々など。

 
話が佳境に入ったとき、彼はぽつりと言ったのだな。


「こんなとき、友人が言ってくれたんです。BTコースを受けてみろよ、と」


場内に爆笑が起こった。笑っていない人は、私を含めて2割くらいだったろうか。 

もうお分かりの方も多いと思います。この居心地の悪い昼食会は、そのむかし流行った、自己啓発セミナーの集会だったのだ。

 
 
誘ってくれた知人の言動からそれは分かっていたので、特に驚きはなかった。正直、どんな集会なのだろう、どういう人々が集まるのだろうという好奇心が大きかったのである。逆に、ストレートな勧誘や折伏がないことに拍子抜けしたくらいである。

そして、この三人目の演者の人の仕事は、原発の下請け企業の社員だった。彼は聴衆を盛り上げようと、今度は自分の仕事についても話し始めた。


大きな拍手とともにスピーチが終わり、何か質問がある方はいらっしゃいませんか、と司会者が声をかけると、ひとりの初老の男性が手をあげた。それまでは質問をする人はいなかったが、この男性は話の途中からイライラと落ち着かず、憤懣やるかたないといった表情で、発言の場を待ち望んでいたのである。

そしてこの男性は私と同じく、明らかにこの場のメンバーではなかった。彼は言った。

 
「原子力発電所の安全性について、あなたはどう思いますか」
 
 
次回に続きます。

 
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2011/03/18

馬鹿丁寧って、あんまりいいとは思えんよ

 
枝野官房長官。

「検討している段階で、軽々にお話申しあげるべきではない」

「全力を挙げて取り組ませていただいているところだ」

「しっかりと対応させていただきたい」


蓮舫消費者相。
 
「1週間前に比べて2倍の商品を出させていただいていますので、 どうぞ冷静な購買行動を」
 
 
何だろうなあ、この言葉づかい。国民を馬鹿にしているつもりはないだろうから、慇懃無礼というのともちょっと違うんだろうし。テレビを見ていてこそばゆいというか、いらつくというか。

昔の政治家はこういう物言いはしなかった。べつに高圧的に喋って欲しいわけではないけれど、普通に国民に語りかけろよ、と言いたくなる。

 
これは震災前から気になっていたことでありまして、昨今は政治家に限らず、司会者もタレントもみんなこういう物言いになっているんだよね。以前、こんなことを書きました。
 
 
http://speedbird.air-nifty.com/speedbird911/2010/02/post-283a.html
「誰も彼も、叩かれまいと」

 
今では人前で喋るのは、こういう言い方が当たり前になったんですかね。みなさんは違和感や不快感を感じませんか?
 
 
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岩沢海水浴場。東京電力広野火力発電所に隣接している。

遠くに見える岬の向こう側が、福島第2原子力発電所。直線距離で6km弱。
第1原発は、さらに10kmほど北にある。2010年7月撮影。 
 
20km圏内。なんだかもう、やたら公共施設が充実している地域でした。
 
 


 
 
 

 

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2011/01/17

駅弁大会に行ってきた

 
 
新宿の京王デパートで、恒例の駅弁大会を開催中。今日は午前中あいてたので行ってきました。復刻チキン弁当を買いにきたのはおととしだったかな。

10時開店ちょうどに到着。さっとエレベーターで7階に上がる。空いててどうも変だと思ったら、有名駅弁の多くは階段から大行列なのだった。平日なのに。
 

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今回の目当ては、神戸淡路屋の新幹線弁当であります。食べ終わった後に容器が弁当箱になるので、子供用に前から欲しかったのである。

 
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最後尾は階段のずっと下。 結局2階まで戻りました。容器は何種類かありまして、希望の弁当の整理券を貰います。
 
 
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3月から東北を走る「E5系はやぶさ」 のパッケージが一押しのようです。あとは九州新幹線も人気。 
実物がそうだから仕方がないのだろうが、どちらも激しく流線型で、もはや箸入れのように細長い弁当箱になっちゃってます。

 
私はこれ。やっぱりこっちのほうが可愛らしい。

 
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新型はプラスチックなんですが、こちらは陶器製なんですよ。

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明石の蛸に穴子に山菜、蓮根椎茸と、中身は意外に渋い。
左の新型車(注)は、ハンバーグやから揚げ中心のちびっ子メニューなんですが。

 
注… わたくし的には新車なんだけど、世間ではもうロートルの車両らしい。
(ごめんなさい。調べたらそんなに古くなかった。最初ののぞみ型車両と勘違いしました)
 
会場はもう大混雑でした。赤福も買おうと思っていたんですが、大雪のために輸送が遅れていて午前中の販売はなし。先日伊勢神宮前の本店に行って大量に買ってきたのに、各方面に好評で、わが家の分がなくなってしまったのでした。
(数年前にいろいろありましたが、年配の人には圧倒的に人気があるんですね、赤福って)

 
 
 
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子供は意外と酒のつまみ系が好きなようで。


 
新幹線弁当のパッケージを見ると、淡路屋さんの工場は神戸市東灘区でした。
 
 
震災直後、私の勤めていた中学校に、東京在住の祖父母を頼って避難してきた女の子がいました。ああ、あの子ももう20代後半なのか。元気にやっているかなあ。

 

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2010/09/28

尖閣諸島問題について考える

 
チキンレースを先に下りるのは、臆病と謗られても、利口なことではあるのだ。
 

与野党ともに、政府のやりかたに批判の声をあげているという事実を、中国人民が少しでも理解できるといいんですがね。批判できるという政治体制を。

反日の声を都合よくコントロールしようとしている中国政府を、今の段階では生暖かく見守っているのが得策だと思います。以前も書きましたが、将来的に一番困るのは、国民の求心力を得られない新政権が(中国共産党崩壊後の話です)、苦しまぎれに反日カードを切ることなんですな。押さえが全くきかない状態になるのは明白なのである。こう言ったら何だが、北朝鮮に対する中国の態度をみれば明らかであるように、強圧的な政権というのは、ある意味で周辺諸国に安定をもたらすものなのである。

最悪のタイミングで船長の釈放を決めたのは事実なんだけど、まるっきり違うルールで動いている国を、日本の常識で是非を糾弾してもしかたがないと思います。軍部に突き上げられている温家宝のメンツを潰すのはどうかなあ。
 


 
 

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2010/07/13

参院選終わる

 
毎年7月上旬は、原稿の締切りと期末テストが重なって往生する。そろそろ梅雨明けですかね。

日曜の夜に放送していた、参院選の特別番組『池上彰の選挙スペシャル』(テレビ東京) が話題になっているようだ。生徒役のゲストや女子アナへの池上先生の講義という、『週刊こどもニュース』(NHK)以来の定番構成なのだけれど、なかなか面白かった。他局は開票速報と選挙事務所中継をダラダラと流し続ける、旧態依然とした選挙特番ばかりでしたもんね。開票状況を極力テロップのみに絞っていたのも功を奏していた。まあ作戦勝ちですな。
 
池上氏の候補者や各党へのインタビューも笑った。報道記者出身だけあって、辛辣な質問も、往年の久米宏のようなバラエティ的な底意地の悪さ(あれも芸なのだけれど)を感じさせないのだ。
創価学会や日教組の組織票について分かりやすい解説も新鮮。この程度は本来タブーでも何でもない筈なのだが、いつからかテレビではあまり報道しなくなっているんですよね。

この人の『週刊こどもニュース』 はよく見ていた。いい番組だったけれど、息子や娘役を演じていた子役タレントにイライラしたものだ。こう言っては何だが、自分をよく見せることだけしか考えていないような、子役ずれした少年少女たちが多かったのだ。池上お父さんの話をろくに聞かず、「ふーん」「へーえ、そうなんだあ」 というセリフを機械的に繰り返すばかり。不勉強な上に、知的好奇心が明らかに欠けていたのである。
 
池上氏自身も、のちに自著やインタビューで子役の出来不出来について触れている。結構頭にきていたのか、何度も同じようなコメントしているのが面白かったりする。後半はそこそこ利口そうな子役になってましたけどね。

 
 
録画しておいた『僕の彼女はサイボーグ』(2008) を鑑賞。全然知らなかったのだが、韓国人の監督なんですね。
 
エピローグはいらんだろうとか、時間が長すぎるとか、文句はいくらでもつけられそうな作品だが、引きの画面と風景の描写で、ハリウッド映画風味の絵作りをしているところに感心した。『グエムル-漢江の怪物』(2006) を観たときにも感じたのだが、韓国映画は娯楽映画の「静」の部分にあたる、お約束の描写や絵作りが上手い。このへんが日本映画はどうしても駄目なんだよね。
 
 

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2010/05/10

議員でも金

 
とか言いそうですね。

http://sankei.jp.msn.com/politics/election/100510/elc1005101728001-n1.htm
谷亮子さん、民主党から出馬

世が世なら(という言い方も変だが) 絶対に自民党から出馬しそうなタイプの人なんですけどね。立候補を要請される人たちも、このご時勢、与野党どちらを選ぶか悩むんだろうなあ。

あんまり悩まなそうな人たちもいるようですが。
 

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2010/02/16

バンクーバーオリンピック開幕

 
 
このあいだ北京の開会式を見たばかりのような気がするんですがね。冬のオリンピックをずらして、夏冬2年に1度にしてから、どうもあわただしくていけません。

オリンピックの開会式の出し物って、このところ先住民族へのお詫び大会みたいになってますな。さすがに北京では詫びていませんでしたが(かの国は詫びちゃったらおしまいだから)、絵に描いたような民族協和の寸劇をやっておりました。長野では何をやりましたっけ? 曙の土俵入りしか覚えてないや。

今回の開会式は、五輪旗をもつドナルド・サザーランドを見ることができたので満足である。サラ・マクラクランは当然出るとは思ったけれど、サザーランドがカナダ人だということをすっかり忘れていた。近年、好きな俳優が次々と死んでゆくので、こういう場でも元気なところを確認できると嬉しい。本当にでかい爺さんで、しばらく死にそうにないので安心した。
 
スノーボード代表の選手が叱られておりますが、ああいう格好も何年かしたら、なし崩し的に認められてしまうんじゃないですかね。だって、ロス五輪のとき、開会式の入場行進中にカメラをかまえた選手が大問題となって処罰されてるんですよ。今じゃ誰も咎めないのに。

競技前の選手をボロクソに叩くのもどうかと思いますが、あの国母という子も(どうやら所帯持ちらしいけど)覚悟が足りないよ。プロの選手として、五輪にそれほど重きを置いていないのなら、ケツをまくって帰ってきてしまえばいいのに。
 
 
スノーボードに限らず、歴史の浅い競技の日本人選手を見ていると、どうにも脆弱さを感じてしまう。アングロサクソン的な個性の重視、個の尊重って、日本人選手を成長させないんだよね。私は体育会的な上下のつながりは大嫌いだし、もっとも遠いところを生きてきた人間ですが、やっぱりあれが日本人にあっているのかもしれません。
 
「個性を伸ばす」「個性を重視する」と気軽に表現します。私も教育現場の一端にいるものとして、いろいろ工夫をしておりますが、これに本気で取り組むということは、日本社会全体のルールを変革すること、日本人の文化を変えることなんだよね。
 
GHQにもできなかったことが日本人の手によって実現できるのか、そして、どれくらいの人が本当にそれを望んでいるのか、興味があります。
 
 

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