勝利の朝日
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オリンピックの開会式に運動会らしさが残っていたのは、70年代初頭くらいまでだろうか。ロス五輪あたりから始まったエンタテインメント化は毎回着実にエスカレートし、いつの頃からか、その国の歴史絵巻鑑賞を強いられる場になってしまった。
今回は中国ということで、かなりの覚悟をもって観た。まああの国の人の演出にしては、かなり自重していたと思うよ。興味深かった点をいくつか。
プロローグの太鼓群舞
2008人いたそうです。ああいうのを日本で同じようにやろうとすると、YOSAKOI風味になってしまいます。
何を叫んでいるのかと思ったら論語だったのか。孔子が終わったら、『次は孟子のようです』『つづいて荀子』『老子』 と、延々と続くのではないかと見ていて不安になった。
中国4000年歴史劇
山車か何かに載せられた、北京原人の頭蓋骨の巨大なハリボテが入場門から登場するのではないかとハラハラしましたね。
筆と紙、活版印刷、羅針盤など、欧米人にもわかりやすい中国ルーツの文化や技術を次々と紹介していく趣向だったが、けっこう精選していましたな。本当はもっともっと取り上げたかっただろうに。これはわたしたちがつくったのだよ、これもわたしたちがつくったのだよ、と。
自文化への限りない自信と、西欧諸国への反発や怨念がないまぜになった、ある種の凄みを感じさせるパフォーマンスでありました。
アヘン戦争や抗日運動の一大パノラマ劇でもやってくれたら、大反響を巻き起こしたろうが。
やたら上がる花火
オープニングの、会場に向かう足跡の花火は面白かった。しかしあれ、打ち上げてる場所はあきらかに建物が密集している市街地や道路ぞいだぞ。取り壊したフ-トンの跡地だろうか。
選手入場
入場の順番が、漢字で表記した国名の1文字目の画数ってのは面白い。よく考えたら、アルファベット順である必然性はないのである。
選手団がダラダラと歩くのはお約束になってしまったが、やたら長い待ち時間を考えると、キビキビなんてやってられないのだろうね。
ロス五輪のときだったか、入場行進中にカメラで記念写真を撮った日本選手が、JOCに譴責されて議論をよんだ。各国でダラダラ歩きがはじまった頃だったが、日本だけは妙に生真面目な隊列行進をやっていたのである。
聖火
選手宣誓が終わり、いよいよ聖火の入場と思ったら、へんなヒラヒラ踊りが始まったので、げっそりして新しい水割りを作りに台所へ行く。
最終ランナーが空を飛ぶことは予想できた。というより、もう他に趣向はないだろうよ。それにしても、油条(中国の揚げパン) みたいな聖火台でしたな。さすが中華は火力が強い。
体操の金メダリスト、李寧の登場は懐かしかった。ロスでは具志堅と同点首位で、一緒に表彰台に上がっていた。マシーンのようなキレのある鞍馬に感嘆したことを覚えている。童非って人もいたな。二文字の中国人名って、妙に印象に残るのだ。
女子バレーでは、スパイクを打つと絶対得点となる郎平が鮮烈だった。笑顔も化粧っ気もなく,いかにも社会主義国家の代表というイメージだったこの女性は、現在アメリカ女子バレーチームの監督。自身のHPで、温和な笑顔を見せています。
あまりにも長く、過去のさまざまなショーアップ開会式の総集編のようでしたが、それでも演出・観客ともに盛り上がりを欠いた長野よりはずっと面白かった。こういうショーをつくるのも盛り上げるのも、日本人には向いていないんだとつくづく思う。
そうそう、今回見ていて感じましたが、資本主義化がすすむとマスゲームが下手になりますな。
『荷風! Vol.17』(日本文芸社) が好評発売中です。 今号はオリンピックにちなみ、特集は「1964”東京五輪の頃”を歩く」 となっております。
わたくしの連載・東京建物探訪では、オリンピック直前に建設されたホテルや公共施設を紹介しています。ホテルオークラ周辺には警察官が大勢いまして、取材の時にはずいぶん睨まれました。アメリカ大使館の隣りですもんね。
表紙は建設中の代々木体育館。珍しい写真です。
東京五輪の競技施設は、第8号の特集「昭和30年代の東京」で、徹底的に紹介しました。バックナンバーが少々残っているようです、興味のある方はぜひどうぞ。
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ボクシング協会やら協栄ジムやらTBSやらテリー伊藤やら、あらゆる人々に掌を返されて四面楚歌の亀田家が哀れである。この家族のありようについては以前に書いたので(こちらです。ぜひお読み下さい) 、繰り返さない。もうあれから1年以上たつのか。
中学校の授業中に、なんとなく亀田兄弟の話になった。今回の世界戦の前である。
亀田家のパフォーマンスを冷やかに見ている生徒がいる一方、兄弟をかっこいいと思う子もいて、別にそれはそれで構わないのだが、面白いと思ったのは、あの親子関係に憧憬を抱く子が少なからずいたことだった。これが例外なく女子なんですね。父親に拒否感・嫌悪感を抱いている、少々元気のいいタイプの女の子。家では面白くなく、話をすれば小言ばかりだったりする自分の親と比較してしまうらしい。
父と子の強い絆や、自分の子どものために吼える父、徹底的に守ってくれそうな守護者としての父親に惹かれるのは分からないでもない。かえって男子のほうがそういう幻想を抱いていないのが興味深かった。
日々働き、ごく普通に生きること、大言壮語せずに家族を支えることの立派さ、尊さに本当に気づくのは、もう少し成長してからなんだよね。
矢作俊彦の『ららら科学の子』(文春文庫)読了。
『スズキさんの休息と遍歴』 のようなストレートな毒と諧謔はないが、こちらのほうが格段に完成度が高く、面白かった。
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候補地が東京に決まったと、竹田恒和JOC会長が発表した。
福岡市長は渋い顔をしていたが、快哉を叫んでいる市民も多かろう。財政を圧迫するだけでなく、どうせ長野のときのように膨大な額の使途不明金を生み出すに決まっているのである。会計帳簿はいつのまにかなくなったり燃えたりしちゃうものらしいし。
ちなみにこのJOC会長は旧皇族・竹田宮の一族であり、明治天皇の玄孫である。この人の息子は妙に政治方面に色気のある男で、愛子嬢の皇位継承問題がクローズアップされたときに、旧皇族を復活し縁戚関係をもつことをしきりに唱えていた。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4093876258/250-8972731-2754613?v=glance&n=465392
皇族になりたいんだねえ。この人。
子供のころから「世が世なら」 と言い聞かされて育ってきたんだろうな。何だか気の毒な人生と言えなくもない。
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市のプールでクロールの練習。
帰りに回り道をして、国分寺の駅と早稲田実業の前を通ってみる。この学校は隣町ではありますが、家から1キロ半ほどの場所にあります。
駅のコンコースに椅子でも並べて市民で観戦していたのかと思いきや、そういった形跡はまったくなし。学校近くのガソリンスタンドに、「甲子園優勝おめでとう」というシミジミとした手書きの紙が貼られていたほかは、駅前に早実の応援や優勝を祝う飾りつけはみられなかった。残念ながら、地域の盛り上がりでは完敗でした。
早実が国分寺に移転してから数年、やっぱりまだ地元の学校としては認知されていないのかな。丸井の屋上から垂れ幕でも下げてやればいいのにねえ。
もっとも、あの学校の閉鎖的な構造(城壁のように校舎の壁がそびえ、通りから校内の生徒の様子がまったく見えない) も問題だと思います。なんとなく街の人々を拒絶しているように見えるんだよね。
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高校野球の沖縄代表、八重山商工の逆転勝利に酔う。ことしは波照間に行かなかったので、応援にも熱が入ってしまいます。
春の選抜のときと比べて一回り体格が大きくなったエース大嶺が頼もしいが、何といっても金城長靖がすばらしい。2回戦は13日。このまま勝ち進んでほしいものである。オリオンビールと八重泉を準備して日曜日に備えます。
市の体育課から電話があり、カヌー教室が中止になったと知らせを受ける。わが町の市営プールで毎年夏に行われているイベントであり、過去何回か参加しているのだが、久しぶりに夫婦で申し込んでいたのである。
明日からプールの改修工事に入るとのこと。残念だが仕方がない。
ふじみ野市の事故以来、全国の都道府県で点検・改修がはじまっているらしい。
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と言われたって、あの判定では見ているほうも困ってしまう。
(TBS以外で)叩きに叩かれているのが分かっているのだろう。今日の亀田君は元気がなく、見ていて気の毒であった。マッチメイクの問題はあれど、彼が懸命にトレーニングしてきたのは事実だし、今回も試合自体はなかなか面白かったのである。
親の言いつけを愚直に守ってきた19歳が、一夜明けてみたら数万の非難にさらされる羽目におちいった。テレビをつけても、よくやったと褒めてくれるのはTBSだけなのだ。彼の心中やいかばかりか。
しかしまあ、親子鷹などと試合前にさんざん持ち上げていたけれど、あの父子の密接な関係、親子の絆を褒め上げるのは絶対に間違っていると思うのだ。あの父親は乗り越えるべき対象であり、本来亀田君はその時期にさしかかっているはずなのである。夢を息子に託す、とは聞こえがいいが、子離れできない父親も父親である。
彼らをみていて感じたことがいくつかある。
・幼なじみ、あるいは家族の絆を何より大事にすること。身内への限りない信頼。
・自分の生まれ育った地元へ愛着。
・それらの愛情が閉じた円環を成していて、そこからおもてに出ようとしないこと。
これらがヤンキー文化の特質であるのはいうまでもない。
こういった価値観にシンパシーを感じる人々が今回のTBSの戦略上にあったのだろうが、亀田君の本質はヤンキー兄ちゃんとは遠いところにあるように思う。テレビ局の言うがままに役作りをしていたらああなってしまったのだろう。
底の浅い感動をでっち上げ、強引に物語化して視聴者に押し付ける最近のテレビ番組には辟易するが、文句をいっている他局だって、まったく同じことをやっているのである。
知人のノンフィクションライター、西牟田靖さんがブログで「亀田は家出しろ!」 と書いていた(8月3日)。 まったく同感である。父親以外の指導者に教えを請うことができたら、他人とのさまざまなつきあいを覚えて世界を広げることができたら、どれだけ人間として成長することだろう。
指導者である親父のもとを飛び出した例に、スノーボードの成田童夢・メロ兄妹がいる。原因はどうあれ、長年導いてくれた守護者から離れるのは勇気が必要だったにちがいない。オリンピックでの彼らの言動を批判する声も多いが、この件については本当に感心している。
さて、TBSは今後どう落とし前をつけるのか。楽しみである。
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近所のファミレスで夜中に原稿を書く。
壁にモニターがあり、ワールドカップの中継をやっている。ちょっとしたパブリック・ビューイングである。もっとも、客は私を含めて3組ほどで、考えてみれば贅沢な空間であった。原稿に没入していたので全然見られなかったが、なかなか盛り上がっていましたな。モニターの前を通ってコーヒーを汲みにいくのに気をつかった。
NHKのBS放送で、『そう言えばあの時このうた』 という5分ほどの番組を放送している。映画や特番の前後に流すスキマ番組なのだが、これが実に楽しいのだ。1960~70年代のニュース映像とともに、その年にヒットした歌謡曲を流すのである(洋楽版もあります)。放映時間を調べて、このところすべて録画している。
先日は1971年の巻が放送されたのだが、そのなかに輪島公一がカルメロ・ボッシに挑むJ・ミドル級タイトルマッチの映像があった。試合前、リング上で四方の観客に深々と頭を下げる輪島。
かっこいい。
グリーンのガウンを羽織った輪島のなんと魅力的なこと! もともと端正なマスクのいい男なのだが、その顔からは試合前の緊張だけでなく、挑戦者としての野心や不敵さといった、さまざまな表情を見てとれるのである。わずか2秒ほどのシーンだったが、近年テレビを見てこれほど痺れたことはなかった。
というわけで、ご想像どおり亀田親子の話になります。
具志堅用高の批判とそれに対する協栄ジムの反論が話題になっている。ボクシングは興行であるからして、マッチメイキングについてはどうこう言う気はない。ただ、テレビがらみの演出とはいえ、あそこまで分かりやすくショーアップしなければ視聴率がとれないという現実に悲劇を感じるのだ。ジムの会長や親父の方針はそれとして、亀田兄はかなり無理をしているのではないだろうか。彼はそれほど馬鹿とは思えないのだ。
輪島の映像のBGMは、ヘドバとダビデの『ナオミの夢』 でした。
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なんだかよくわからない展開になっているWBCだけれど、開幕当初から飛ばしているイチローの言動が見ていて痛々しい。なぜなら、彼の発する不器用な言葉のすべてがチームメイトに向けられているものだと思えるからである。
リーダーが士気を鼓舞しつづけなければモチベーションを保ちきれないような淡白さを、今回の日本チームに感じてしまう。みないい選手だとは思うのだが、国際試合にふさわしい気概をもっているのは、イチローと松坂だけのような気がしてならない。
『戦国自衛隊1549』 を鑑賞。自衛隊の全面協力も、お金をかけたCGも、脚本の弱さと役者の低劣な演技をカヴァーできないことを痛感した。
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先週末、中学校の授業中に、「荒川は4位で、もしかしたら銅メダル。村主は6位、安藤は11位」 と予想したんです。とくに根拠があったわけではないんですが、生徒の中には真剣な顔でノートにメモってる子もいて(おいおい)、余計なことを言ったかなと後悔しました。荒川選手、金メダルおめでとうございます。村主さんも立派でした。安藤さんは気持ちを切り替えて、アスリートを目指してください。しかし金芽米のトーヨーライスは社長役員以下、踊り狂って喜んでいるんだろうな。
選手の肩の力が抜けたエキシビションは、いつ見ても楽しい。祭りの終りを感じさせる一抹の淋しさもいいのだ。
荒川さんも素敵でしたが、何といってもプルシェンコはすごい。この人は以前こんなパフォーマンスもやってます(有名ですが)。芸達者な人です。
http://www.youtube.com/watch?v=N8vXfS6YLHw&search=SEX%20BOMB
ここのサイトは面白くて、カルガリーの伊藤みどりの映像がありました。最近の彼女しか知らない人、これは必見ですよ。彼女が現役時代にどういう存在だったのかわかります。彼女の高い高いジャンプを知っている人は、近年の女子スケーターにどうしても物足りなさを感じてしまうのです。
http://www.youtube.com/watch?v=B2TW9egpud0&search=ito%20midori
本当に、こまねずみのように飛びまくっております。なかでもフィナーレのジャンプとスピンは圧巻で、アナウンサーや解説者がもはや言葉を失い、笑ってしまっているのがおかしい。総立ちの観客と歓声、芸術点の低さに対するブーイングにもしびれる。
カルガリーオリンピックは1988年の2月。このころ、私ははじめての海外旅行で韓国に行っていた。友人とふたりでソウルに1ヶ月ほど滞在していたが、どこへ行くでもなく、毎日安宿の白黒テレビで競技を観戦していたのである。秋のソウルオリンピックにむけて、街中で突貫工事が続いていたのを思い出す。
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