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2010/08/15

新旧ベストキッド


ディズニー・チャンネルで『ベストキッド』(1984)を放送していたので再見。

 
移民のプアホワイトと、日系人が主役の大ヒット作である。各所で垣間見える珍妙なオリエンタリズムとか、肝心の「カラテ」が、中国拳法だか沖縄空手かよく分からなかったりとか(師匠のミヤギは一応沖縄人らしいが)、突っ込みどころ満載の映画なのだけれど、よくできているなあと感心する点も多い。

パット・モリタ演じるミヤギが、マンザナーの日系人収容所で妻を失った、日系2世部隊の英雄という設定が何より心を打つ。妻を想い、軍服で酔いつぶれてベッドに横たわる彼の腕には、米陸軍442部隊の徽章(松明をかかげた自由の女神の右腕をデザインしたもの)がはっきりと見えるのだ。
 
米国社会への忠誠心を疑われたために日本軍との戦いを認められず、ヨーロッパ戦線へ送られた442部隊の奮戦は、あまりにも有名である。収容所に入れられた妻子や家族の名誉のために、彼らは多くの犠牲者を出して友軍を救出し、ユダヤ人の収容所を解放している。この部隊は、アメリカ軍の中で最も多くの勲章を得ているのである。しかし、英雄として帰国した彼らを待ち受けていたのは、変わらぬ差別だった。

収容所に入れられて財産を失った12万の日系アメリカ人は、ゼロからのスタートを余儀なくされた。日系人兵士も同様で、アメリカ人が大量消費社会を謳歌しはじめた1950年代の前半、彼らは馬車馬のように働いて戦後の地位を築いていった。老いたミヤギがレストアしてコレクションしている車が、すべて50年代前半のアメ車なのが泣かせるじゃありませんか。

レーガン大統領の下、日系アメリカ人補償法が制定されたのが1988年。この作品は日系人への名誉回復が社会問題になっていた頃の映画でもある。何度も言うけれど、こういうテーマを、娯楽作品の脚本ににサラリともぐりこませるのが、ハリウッド映画の強みなのだな。

 
ジャッキー・チェンとジェイデン・スミス主演のリメイク版『ベストキッド』 が公開され、ヒットしているようですね。未見ですが、スクリーンで見られる拳法は正確なものだろうし、師弟モノのカンフー映画としては(ジャッキーが師匠というのがまた感慨深い)、恐らく最良の作品に仕上がっているだろうと思います。

しかし、旧作のあのシーンは、日本人としては忘れがたいなあ。
 
 

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