東京駅で心震える その1
週末、子供と中央線に乗って、東京駅へ新幹線の見物に行った。
親子ともども乗り物が好きなので、ときおりふたりで近所の電車に乗って遊んでいる。息子は5月に3歳になったばかりで、東京駅までの乗車は彼にとって大遠征である。途中で飽きたらすぐに帰ってくるつもりだったが、満員の列車にも我慢して、ドアの手すりにつかまって立ち、一丁前に窓の外なんぞを眺めている。国分寺から新宿を過ぎるまで、文句を言わずに立っていたのには感心した。
「あ、タモリたん」
御茶ノ水駅を過ぎたあたりで、息子が車窓を指差して言った。
何かと思ったら、ニコライ聖堂でありました。彼は『ブラタモリ』 のファンでして、神田特集か何かでタモリがニコライ堂の鐘をついていたのを覚えていたらしい。しかしよく見つけるよ。
そんなこんなで、東京駅に到着。
最近の新幹線は、みんな悪夢のような形をしておりますな。
わが息子、しばらく眺めているうちに案の定、「乗りたいー」 と言い出した。西武多摩湖線だったら何往復でもつき合ってやるのだが、子供の散歩で新幹線に乗るのはちょっと、いや、かなり痛い。当然ながら説得をこころみる。
「あのね、新幹線というのはすごーく早いの。びゅわーんびゅわーんと、飛んでるように走っちゃうの」
「うん」
「1回乗るとね、ものすごーく遠くの、全然知らない街にいっちゃって、もう帰ってこられないの」
「うん」
「かーたんは悲しくて泣いちゃうし、バーバやバアちゃん(両祖母ですな)やルカ姉さん(いとこです)にも会えなくなるし、もう大変なことなの。家庭崩壊に一家離散、みんな地平線に沈む夕日を仰ぎながら、泣きの涙に暮れちゃうんだよ。そうしたら困るよね」
「うん」
赤レンガ駅舎の改築状況をチェックするため、丸の内口へと向かう。今回の親の目的は実はこちら。
中央通路はタカラトミーのアンテナショップがあり、ミニカーとグッズが大量に飾られている。トラップのようなもので、そんなところを通るわけにはいかない。ルート選びもなかなか大変である。
改札口を出て、シートと足場に覆われた駅舎を見上げた。
おおお。
いやあ、しびれた。久々に心震えましたね。
次回に続きます。
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