グレイの2CV
お久しぶりでございます。
今年度は学校の仕事が増えまして、久しぶりに高校で教えることになりました。
新学期初頭は毎年くたびれるもんですが、今年は学校間の移動が大変なので、例年になく疲労しております。まあ、もう若くないというのもありますが、すっかり体調を崩してしまいました。
春からすすめている引越し計画は、実際に転居するのはどうやら8月近くになりそうな気配です。中古住宅のリフォームってのは、けっこう手間もヒマもかかるものなんですね。
さて、昨日の午前中の出来事。
引越し先で施工業者との打ち合わせを終えて、妻とクルマでコーヒーを飲みに出かけた。西武線の花小金井駅前を走っていたときのこと。
「ねえ、後ろ後ろ」
「あれ、珍しいね。誰だろう」
すぐ後ろを、グレイの綺麗なシトロエン2CVが走っているのだ。
昔は2CV同士、必ず挨拶をしあったものだよね、などと妻と話す。
私がチャールストンを買った頃は、毎日一度は必ず同じ車とすれ違っていた。近所で2CVに乗っている人は、だいたい顔見知りだった。見通しの悪い交差点で、出会い頭にぶつかりそうになった相手が同じ車で、お互いに大笑いしたこともある。
ぴかぴかの2CVをルームミラーでのぞいてみた。ドライバーは帽子を目深にかぶったヒゲの男性。眼鏡をかけている。
「あれっ、宮崎駿だよ」
「ほんとだー」
個人事務所に「2馬力」(注)と名づける宮崎さんが、2CVのオーナーだということは、シトロエン乗りで知らない者はない。しかし今でも現役で乗っているとは思わなかった。ちょっと感動。これから東小金井のスタジオに出勤するのだろう。
グレイの2CVは駅前の交差点をゆっくりと曲がり、視界から去っていった。ちらちらと振り返りながら夫婦で勝手に盛り上がっていたが、悲しいことに、もうわれわれはシトロエン乗りではないのである。淋しいなあ。こちらがBXだったら、むこうも何となく面白がってくれたかもしれないが。
また欲しいけど、2CVはもうクラシックカーになってしまったようだ。無理だろうなあ。
注… 2馬力 アンダーパワーだったシトロエン2CVの愛称、というか蔑称というか。フランスの車両課税区分を表していて、実際に2馬力のわけではない。最初期モデルで約9PS、私の乗っていた2CV6モデルで29PSほどである。まあ、浮世離れした低馬力ではあります。山道では苦労しました。
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コメント
生きてますかー?
投稿: げんき | 2009/08/06 12:38