« 懐かしいTVコマーシャル | トップページ | サザエでございます その2 »

2008/05/03

サザエでございます

 
取材で会津へ。

会津若松というところは交通の便が悪いところで、電車だと新幹線を使っても、福島から結構な時間がかかる。あそこは戊辰戦争で殿様が頑張っちゃったもんだから、頭にきた明治新政府が県庁所在地にしなかった、なんていいますね。

鉄道ブームらしいので、今回は電車ネタをひとつ。

福島から磐越西線というローカル線に乗り換えるが、電車が福島駅に到着する前から、なにやら落ちつきのない人たちがドアの前でウロウロしている。
何だろうなあと眺めていたら、駅についてドアが開いたとたん、プラットホームを脱兎のごとく駆け出していった。あとをついていくと、磐越西線のホームに停まっている電車にカメラを向け、さかんにシャッターを切っている。なるほど、鉄道ファンの方々か。

で、停まっていた電車がこれ。

5831_2
ほほう、こりゃ懐かしいや。

10年ぶりぐらいに見ました。昔のひかり号みたいな色のこの列車、夜は座席がベッドになるんですよ。確か昭和40年代のもので、今では数少なくなってしまった寝台列車に使われていた面白い車両です。まだ現役だったのか。
 
寝台列車というのは、ふつうは機関車がのんびりと客車をひっぱるのだけれど、これはモーターをいくつも積んだ電車だったので、えらくスピードが出た。昼は特急列車として、7~8時間かけて東北や九州までお客を運び、座席を箱根細工のように複雑怪奇な方法でベッドにして、帰路は夜行列車に変身するのである。
まだ東海道くらいにしか新幹線がなかった頃である。昼夜稼いで二毛作というか、いかにも高度成長期っぽい話で、まあ合理的ではあるんだけど、今から考えれば少々貧乏くさい気がしないでもない。
 
大体、寝台といったってこれ、3段ベッドなんですよ。3段。何回か乗ったことがあるが、窓があって多少解放感のある下段はともかく、上段と中段は梯子を登って狭い棚に体を横たえるだけで、天井が低くて座ることもできない。デッキから車内に入ると、通路の左右に屋根近くまで延々と寝棚のカーテンが連なっていて、ローマ帝国による弾圧期のキリスト教地下墓地というか、ベーカー街の死体安置所というか、なんともいえない構造なのでした。
もっとも、昼間は向かい合わせの席が応接間のようで、ずいぶんゆとりがあった。食堂車なんかもつないでおりまして、青森行の列車などでは、出稼ぎ帰りのお父さんが『エンドレス一人酒盛り』(注)の挙句に上機嫌でぶっ倒れたりしてて、なかなか風情があったものである。

注… 一杯だけ日本酒を注文し、あとはフトコロから出した五合瓶の酒をウェイトレスの目を盗んで延々と注ぎつづけるのである。昔はよくいたんだ、こういう人。大抵おみやげを一杯かかえたおとっつあんで、八戸あたりで目をしょぼつかせながら下車していた。久しぶりの帰郷で嬉しかったんだろうね。

5832


電車が動き出したあとも、若い鉄道ファンが数人、車内を回ってあちこち写真を撮っている。好きなんだねえ。
ちょっとうっとうしいなあと思うけれど、私も古い建物を必死で撮影していた時期があるので、あまり偉そうなことは言えない。

あれ、サザエの話にならないや。続きはあした。

5833

|

« 懐かしいTVコマーシャル | トップページ | サザエでございます その2 »

「旅行・地域」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/81538/41076470

この記事へのトラックバック一覧です: サザエでございます:

« 懐かしいTVコマーシャル | トップページ | サザエでございます その2 »