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2008/04/28

懐かしいTVコマーシャル


新聞を読んでいたら、どこかの大学で過去のCMを集成・保存する計画をすすめているという記事が載っていた。企業の協力を受けて映像を提供してもらい、その時代の流行や風俗を検証する資料にするという。

こういう地道な仕事は本当に重要なんだけど、実のところ、昔のコマーシャルはyoutubeにいくらでもアップされているんだよね。多くの人々が手持ちの録画ビデオから映像を持ち寄った結果、あそこには短期間のうちに戦後のコマーシャルの一大アーカイヴが形成されているのです。著作権のことを考えると大きな声では言えないのだが、本当に懐かしく面白い。これは投稿サイトだからこそ可能だったわけでして。

コマーシャルというのは雑誌以上に一過性のもので、懐かしい作品をもう一度見たいと思っても、むかしは自宅で録画していない限り不可能であった。以前ヤフーオークションを見ていたら、資生堂が創業何十周年かに、社史とともに関係者に配布したという自社CMの総集編ビデオが出品されていたことがある。20年分くらいを収録した2本組で、化粧品メーカーということもあり、有名女優やタレントが目白押し。観たいな、入札しようかなあ、と思ってチェックしていたら、あれよあれよという間に10万円を突破してしまい驚いた。とても手が出ない。

映画や番組を録画した古いビデオをひっぱり出してみると、本編より当時のCMのほうが面白かったりすることが多い。「これは永久保存!」 などと、面倒な思いをしてCMをカットしたテープは、再見すると意外に味気ないものだ。気負って録画した映画などの多くは、今日では廉価版のDVDになっていたりするし。
 
ということで、懐かしいCMを。

http://www.youtube.com/watch?v=mi2dSDn6BNs

こいつは腰に悪いだろうなあと、子供心に思っていました。ちなみに社長はアメリカ人ではないそうです。


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2008/04/26

春の日の午後に

 
午後の授業を終えて、私はのんびりと車を運転していた。サイドウィンドウから流れこんでくる暖かい風がここちよく頬をなでる。

カーステレオからは、沖縄民謡界の巨人・登川誠仁の『国頭(くんじゃん)ジントーヨー』 が流れている。ソウル・フラワー・ユニオンと共演しているアルバムにおさめられた有名な曲で、三線の合奏に中川敬のオルガンが乗っていくアレンジがすばらしい。沖縄歌謡の『ヒヤミカチ節』 と並んで好きなナンバーである。どちらも威勢がよく華やかだけれど、どこか物哀しさも感じさせるのだ。

如何(イカ)な山原(ヤンバル)ぬ枯木島(カリキジマ)やてぃんよー
いもりもり里前(サトゥメ) ジントヨー 花ん咲(サ)ちゅさ

ジントヨー、花ん咲ちゅさ。

枯木ばかりの山原と人は言うけれど
来てくださいな あなた 花も咲くのよ ほんとにそう、花も咲くの。
  


歌を口ずさみながら、細い十字路を徐行しながら左折する。休憩時間だろうか、警備員姿の男が木陰でぼんやりと佇んでいる。道を曲がったところで、男は手にしたホイッスルをピッと吹き鳴らした。

男はガードマンではなかった。

通り沿いのコンクリート塀の陰に、甲賀忍者のように張りついていた警察官が6人、わらわらとあらわれた。指示通り車を脇道に入れて停車する。


「そこの交差点、停まりませんでしたネ」 近寄ってきた初老の警官が、車の中をのぞきこんで言った。

静かな裏通りには、ちゅんちゅんと雀の鳴き声が響いている。少し離れたところから、警棒をもった若い警官が能面のような表情でこちらを凝視している。

「はい」 私はタバコの火を消しながら答えた。ああ、車で喫わなければ本数が減るんだが。

「ちょっと降りて、こっちに来てくださいネ」

「はい」

車を降り、警官の後について歩く。今日は本当に暖かくていい陽気だ。公園の芝生に寝転がって黒ビールを飲みながら、ディック・フランシスでも読みたくなるような、ポカポカとした一日。新緑に輝く木々の若葉は透き通って美しい。空にはヒバリ。警官の腰には5連発のリボルバー。ロビンフッドに鉛の玉を。

道路ぞいの民家の壁には、「たしかな野党!」 というキャッチフレーズが大書された共産党のポスターがずらりと貼られている。しかし志位委員長も歳をとった。のび太などと揶揄されていたが、いまやウォルター・マッソーそっくりではないか。
JR中央線某駅の駅前では、日本共産党市議団の人々が、おはようございます、日本共産党です、と通勤客に声をかけてチラシを配っている。一年三百六十五日、毎朝である。真似できないなあ、偉いなあと思いながらも、いつもチラシを貰わずに脇を通りぬける。赤旗を掲げたスラブ系白人のおばさんがにこやかに微笑みながら、「コニチハ、ソビエト共産党デス」 などと言ってプラウダでも配ってたら、いくらでも貰うんだけど。

 
警官は十字路につくと空を指さした。

「ここに停まれの標識がありますネ」

「はい」 

葉桜がきらきらと、木漏れ日をつくりだしている。

「標識、見落としましたネ」 警官は言った。 

「はい」 

「一時停止違反ということでネ」

「はい」


車に戻り、反則切符を書く警官を待つ。ボンネットもガラスも埃で真っ白だ。そろそろ洗車どきである。

「会社員ですか」

「はい」 

ダッシュボードのすき間に、小さな蜘蛛がごそごそと這っている。やれやれ。そういえば『Spiders In The Dressing Room』 というポップな曲があったなあ。トイドールズだったか。

「反則金を所定の期日までに振り込んで、うっ、うっ、げほ、げほごほごほ」

「大丈夫ですか」

「ごほごほげほ。うあーっ、かーっ。かーっ。失礼」

年をとるとよく喉をつまらせる。私もたまにやる。あれは非常につらい。


「反則金は7000円。これが振込み用紙ネ」

「はい」 


「あー、それから」

厳かな表情で、警官が続けた。「この紙には、うー」

「この紙には、このようにネ、あなたの氏名、住所、電話番号などが書いてありますネ。これはその、あー、個人情報。個人情報なんですネ。反則金を納めてもらったら、この紙は、とっとかないでなるべく早く処分したほうがいいですネ」


誰がとっとくか、こんなもん!


というわけで、交通違反で捕まったのである。いやいや、社会人たるもの、法規は遵守しなければなりません。

22歳で免許をとって以来、20年間で4度目の違反でした。もっとも最初の2回はバイクである。2輪のスピード違反、ノーヘル、そして5年ほど前のシートベルト着用義務違反。なぜか5年間隔で捕まっている。どうやらわたしはゴールド免許にはなれない運命のようだ。もっとも妻(ゴールデン保持者)の話によると、免許更新の優良者講習に来ているのは、あきらかにペーパードライバーらしき方々が多いらしい。

昨今、反則金が大幅にアップしたという話を聞いていたので、2・3万くらいとられるのかと思ったよ。


ジントヨー、花ん咲ちゅさ。連休も暖かいとよいのだが。
 

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