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2008/03/04

シーシェパードに思う

 
鯨は減っている。保護が必要だ。
いやいや増えているし、餌となる海洋生物の減少こそ注目すべきだ。

反捕鯨は世界の趨勢だ。
わが国の歴史的文化だ。

鯨は知能が高い動物だから、殺すのは野蛮である。
では馬鹿な動物は殺していいのか。それは不遜かつ危険な考え方だ。

大体、お前ら牛や豚をさんざん殺しているじゃないか。
家畜と野生生物を一緒にするな。

鯨も貴重な海洋資源である。積極的な活用も必要だ。
鯨は減っている…(以下略)。

 
不毛かつエンドレスな論争を数十年続けながらも、調査捕鯨の名目で毎年数百頭の捕鯨を続けている日本への風当たりは強い。
情緒的な反捕鯨論はまったく納得できないし、今回のような強行手段には怒りを感じる。この手の動物愛護団体は、文化論争を巧妙に避けているんだよね。捕鯨反対の国際世論を形成することのみに力を注ぎ、捕鯨国に対して真摯にメッセージを発して理解を得ようとする努力は決してしないのだな。

でもね、捕鯨をめぐるわが国のスタンスにも以前から疑問があるのです。

だって、これだけ外交下手の日本がですよ、なぜ捕鯨に関してだけはしぶとく欧米諸国に自らの主張を続けるのだろう。さまざまな伝統文化と伝統産業を破壊して経済大国をつくりあげた政府が、展望を欠いた政策で日本の農業を壊滅的状況に追い込んだ政治家たちが、省益・既得権益を死守することに血道をあげている日本の役人が、どうして捕鯨関係者のために(文化って言ったって、日常的にクジラを食べている人なんてほとんどいないのに) これだけ熱心になっているんだろう。
捕鯨のコストと国の補助金、捕鯨関係者と監督省庁の関係、そこで生まれる利権や天下りの実態など、知っておくべきことはたくさんあるのだが、日本のマスコミはあんまり報じてくれないのである。

捕鯨問題には面白い点がひとつありまして、それはクジラを捕る国・捕らない国の利害が直接ぶつかっているわけではないことです。反捕鯨国は日本に対して嫌悪感を示すものの、北方領土問題や東シナ海のガス田の問題などとは異なり、お互いが国益をめぐって争うライバル同士というわけではない。アメリカあたりだったら商売敵は官民上げて、懲罰的な法律を作ってでも徹底的に潰しにかかるところだけれど、捕鯨をしていない国が、全力を挙げて日本に立ち向かってくることはないのである。
 
わが国は外交において強力なイニシアチブを握ったり、戦略的に強硬姿勢を貫いて見せたりすることをあまりしない。ことクジラに関してだけどうしてこう強気でいられるかというと、捕鯨の主張は日本外交のなかでは珍しく「いくら嫌われようと、どこの国も本気で怒らせることがない」 数少ない分野だからなのだな。

これがマグロやカツオの漁業規制となれば、自らも消費している欧米諸国は国益を賭けて正面から日本に対峙するだろうし、そうなれば日本政府もここまで粘り腰を見せることはないのだろう。それを考えると少々もの悲しいものがあります。
 
 
どうしたもんですかね。個人的には、鯨が食卓に並ぶことがあれば美味しくいただいておりますけれど。

 
Dsc_0357
 
 


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2008/03/01

あたご衝突事件


漁船乗組員の方々の発見が遅れているときにこんな話をするのも気が引けるのだが、今回の衝突事故のニュースを見ていてどうしても気になることがある。
護衛艦「あたご」 の発音なのだ。NHKでも民放でも、アナウンサーは必ずあたごと語尾上げのイントネーションなんだよね。あれ、たご(↑↓↓)だと思うのだ。
この艦の母港は舞鶴であり、京都の愛宕山からの命名という建前なのだが、まあ誰がどう見ても同じネーミングの帝国海軍の重巡洋艦・愛宕にちなんでいる。だって、イージス艦は妙高とか金剛とか、どれも旧海軍の巡洋艦の名前なんだもの(注)
海上自衛隊は近年、積極的に旧海軍の大型艦の名を復活させている。以前は必ず「いつか来た道!」 なんて騒ぐ人々がいたのだが、時代は変わった。

さて、日本海軍には戦艦大和という有名なフネがありましたが、あれを大和政権の「やまと」と同じイントネーションで発音すると非常に格好悪いことになります。重巡愛宕は、「さし」(武蔵)「かぎ」(赤城)「たいほう」(大鳳)「しょうかく」(翔鶴)「かを」(高雄)と同じく、「たご」 でしょう。この護衛艦も同様ではないんですかね。「みょうこう」(妙高)みたいに後ろ上げの名前もあるにはありますが。

てなことをブログに書こうとしていたら、ついに艦長が記者会見に登場した。胸に飾られる略授が少ないのは叩き上げだからか、それとも外して会見に臨んだか。

 
あれ、艦長、あたごと言っている。

 
 
そうなの? 

いやあ、意外。驚きました。
 
 
 
 
注… 金剛は戦艦だが、もとは巡洋戦艦だから、基本的に最新鋭のイージス艦には巡洋艦の名前をつけることにしているのかも。
戦艦の艦名継承はさすがに遠慮しているのかと思ったら、この春就役する海上自衛隊最大のヘリコプター母艦(16DDH) は、ついに「ひゅうが」 と命名されました。艦名発表の時、事情を知る報道陣からは感嘆の声が上がったらしい。
戦艦日向は太平洋戦争の後期、アメリカに空母を次々と沈められた日本海軍が、後ろ半分だけを急いで航空母艦に改造した、貧乏国らしいキメラ的軍艦の2番艦である。独特な形状をもった有名な艦で、防衛庁だか海自だかの偉い人たちも、あのフネの名をつけたいな、と思ったのだろうね。
ネームシップ(最初につくられたフネ) である伊勢(いせ) の名をつけないところがなんとも自衛隊らしく、このニュースを聞いたときにちょっと笑ってしまった。

護衛艦ひゅうがは基準排水量13500t。飛行甲板の長さは197mだそうです。これは旧海軍の軽空母より大きく、中型空母飛龍・蒼龍に近いサイズである。ただ、幅は33mと、なんと巨大空母・信濃に近いんですね。子供のころに洋上模型のプラモデルを作ったことがある人は、どんな形かイメージがわくと思います。
まあ運用も機体も全然異なるので、単純な比較は意味がないんですが。
 
 
すみません。今回は軍艦に興味のない人は全然面白くないですね。
 
 

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