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2007/10/30

Bullet Train その2



このところ聞きわけよく走っていたわがシトロエンだが、職場に着いてサイドブレーキを引っ張り上げたら、手ごたえなくレバーが直立してしまう。どうやらワイヤーが切れたようだ。やれやれ。

仕事の帰りに、久しぶりに工場へ向かうことにした。何度も紹介していますが、わたくしの頼んでいる修理工場は埼玉県の行田にありまして、往路も復路もちょっとした旅行気分なのです。えらく道が空いていて、関越道経由で1時間半かからずに到着してしまった。ワイヤーとオイル類の交換を頼み、駅まで送ってもらう。

熊谷駅の構内で、人身事故により高崎線が不通になっているという案内放送が流れてきた。いつ復旧するか分からないという。どうしたものかと付近を見回すと、構内にもうひとつ改札口があるのを発見。あれ、この駅は新幹線が停まるのか。
5分後に東京行きがやってくる。急いできっぷを買い、売店で缶入りの水割りとナッツをもとめ、嬉々としてホームに向かった。新幹線に乗るのは久しぶりである。

自由席の列で待っていたら、悪夢のようなスタイルの電車がゆっくりとプラットホームに入ってきた。流線型といえばまあ流線型なのだけれど、何だか人相の悪いカモノハシの剥製みたいである。客席はすべて2階建て。どうやらこれは通勤用の車輌らしい。巨大な車体の上下に小さな窓が並び、ローマ帝国の奴隷船のようだ。
車内はほぼ満席であった。1階3列席の真ん中しか空いていないので、通路側の席で週刊現代を読んでいる恰幅のいいお父さんに会釈して通してもらい、着席する。窓側には大乃国親方によく似た妙齢のご婦人。

1階席は位置が低く、車窓からは延々と続く防護壁しか見えない。低い天井の下、サントリーリザーブの缶を握りしめ(これじゃ落ち着いて酒なんか飲めん)、真ん中の席にインドの皇太子のように姿勢よく腰かけて、前席の背もたれを凝視すること35分、上野駅でやっと席が空いた。あと5分で東京である。
酒とつまみの入ったビニール袋をさげて中央線に乗るのはあまりにも空しい。大急ぎで移動して、ゴクゴクと水割りを飲み、ぽりぽりと南京豆を食する。ゴクゴクゴク、神田駅通過。ぽりぽりぽり、丸ビルが見えてきたよ。ゴクゴクゴクゴク。


Bullet Train、なんだか全然楽しくなかったです。
 


 

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2007/10/29

そろそろ四十郎

 
1時間目から授業があるというのに、夜更かしして一杯呑みながらNHKを眺めていたら、『黒澤明に挑む 映画監督・森田芳光「椿三十郎」を撮る』 なる番組が始まり、たまらず全部見てしまう。
 
いやいや、面白かった。オーディションで選ばれた若侍たちを見てると、やっぱり織田裕二はスターである(比べるのも申し訳ないが)。このリメイクについて、というか織田君については以前何回か感想を述べたことがありまして、(こちらをご覧ください) 結構気になっていたのである。
黒澤の映画を同じ脚本でリメイクするという、途方もない作業に取り組んだ森田芳光を当初は呆れて見ていたのだが、この人は何というか、実に教導的な人なんですね。若侍役の俳優たちに対してキレず怒鳴らず、実に粘り強く演技をつける姿は、中学校の先生のようでありました。
 
番組では旧作と比較してさまざまなシーンを紹介していたが、佐々木蔵之助演じる役(押入れに入れられる侍。旧作では小林桂樹が、ほとんど社長シリーズのノリで演じている) が紹介されていないのが気になった。おそらく監督にとってここは自信のあるシークエンスなのではないだろうか。
 

 

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2007/10/21

Bullet Train



http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/071020/sty0710200915001-n1.htm
500系、こだまに格下げ JR西が来年投入

 
東京駅でもときどき目にする、ものすごい流線型をしたグレイの新幹線ですね。この車輌は子どもの頃に熱中した、のりもの図鑑の『未来の鉄道』 というページに出てた車輌にそっくりでした。まだ新しいイメージがあるのだけれど、もう10年近く走っているんだな。

以前、九州の取材の帰りに、神戸まで乗った新幹線がこの電車だった。山陽道を走る新幹線は、トンネルと切通しばかりで遠景を見渡すことができず面白みはないものの、えらいスピードだった覚えがある。車窓の風景はすべて線となって流れ去り、頭がクラクラした。通路の扉の上にある電光掲示板に「ただいま時速300km」 といった表示が出るのだ。
一杯飲んでいたこともあって、私としてはめずらしく乗り物に酔った。車内が狭いのも一因だったのだろう。車体の断面が飛行機みたいに丸いものだから、窓際の席は壁が弧を描いていて、足元と頭の辺りにへんな圧迫感があったのである。

格好いいけれど、また乗りたいとは思わなかったなあ。

youtubeに車窓からの映像がありました。こうしてみるとなかなか凄みがある。やっぱり尋常な速さではないですね。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=lqbAC56Chb0 

 

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2007/10/19

クラシックホテルで遊ぶ

 
 
1945年8月30日、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥は、バターン号と名づけられた陸軍のC54輸送機で厚木に降り立った。
厚木飛行場は日本海軍の基地で、首都防衛部隊である第302航空隊の拠点であった。終戦の詔書が出されたにもかかわらす、マッカーサーが到着する10日前まで、厚木基地では恭順派、徹底抗戦派の深刻な対立が続いていた。
マッカーサーは厚木から直接東京へ向かわず横浜市内に移動、山下公園前のホテルニューグランド315号室に3日間滞在した。1927年に完成したこのホテルは、横浜税関とともに占領軍の最初の接収施設となったのである。

 
ひと月ほど前、友人の結婚式でニューグランドに行ってきました。ここは高層の新館を建設した後も、旧本館を壊さずにそのまま活用しており、実によい雰囲気を残しています。日本を代表するクラシックホテルの一つです。

今まで何度も訪問したことがあるが、内部の写真は撮っていなかった。ホテルはパブリックスペースではありますが、落ち着いた雰囲気のロビーでバシャバシャと写真を撮りまくるのはあまり格好よくないもんね。今回は新郎新婦、出席者の写真をとりつつ、ずいぶんとあちこちの写真を撮らせていただきました。
(写真はクリックすると拡大します)
 
 
Dsc_0380
 
建物の設計者・渡辺仁は、東京国立博物館本館・銀座の和光を手がけた建築家として有名。
 
 
Dsc_0232
 
Dsc_0215
 
意外とシンプルな外観も悪くないが、このホテルの真髄はロビーまわりである。
小ぶりな正面玄関は、ロビーに至る導線を際立たせる仕掛けなのだ。建物の中に入り、階段を上るとエレベーターホールとフロントがある。階段室の吹き抜けが広々とした空間をつくりあげ、高い天井とあいまって実に開放的。
セットバックした高層の新館は少々圧迫感があるが、クラシックな旧館をホテル全体のエントランスとして使用する構造が非常にスマートである。オールド・ビルディング保存のお手本のような建物なのでした。
 
 
Dsc_0278
 
フェニックス・ルームと名づけられた本館のバンケット。東洋風の内装は、箱根の富士屋ホテルなどと同じく、外国人用の宿泊施設だった経歴を今に伝える。ここは素晴らしかった。新郎新婦の後ろのカーテンを開けると、氷川丸が見えるのである。
 
 
Dsc_0224
 
 
こう言っては何だが、こういうホテルを見てしまうと、高度成長期、反対運動の中でフランク・ロイド・ライト設計による国宝級の旧館を取り壊した帝国ホテルが、旧館から剥がしてきたテラコッタを壁に貼り付けたバーや宴会場で伝統を自慢するのが可笑しくてならないんだよね。 
 
 

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2007/10/17

亀田家雑感



ボクシング協会やら協栄ジムやらTBSやらテリー伊藤やら、あらゆる人々に掌を返されて四面楚歌の亀田家が哀れである。この家族のありようについては以前に書いたので(こちらです。ぜひお読み下さい) 、繰り返さない。もうあれから1年以上たつのか。

 
中学校の授業中に、なんとなく亀田兄弟の話になった。今回の世界戦の前である。

亀田家のパフォーマンスを冷やかに見ている生徒がいる一方、兄弟をかっこいいと思う子もいて、別にそれはそれで構わないのだが、面白いと思ったのは、あの親子関係に憧憬を抱く子が少なからずいたことだった。これが例外なく女子なんですね。父親に拒否感・嫌悪感を抱いている、少々元気のいいタイプの女の子。家では面白くなく、話をすれば小言ばかりだったりする自分の親と比較してしまうらしい。
父と子の強い絆や、自分の子どものために吼える父、徹底的に守ってくれそうな守護者としての父親に惹かれるのは分からないでもない。かえって男子のほうがそういう幻想を抱いていないのが興味深かった。

日々働き、ごく普通に生きること、大言壮語せずに家族を支えることの立派さ、尊さに本当に気づくのは、もう少し成長してからなんだよね。



Dsc_0239
 
 
矢作俊彦の『ららら科学の子』(文春文庫)読了。
『スズキさんの休息と遍歴』 のようなストレートな毒と諧謔はないが、こちらのほうが格段に完成度が高く、面白かった。
 
 

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