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2007/04/03

有権者諸君!

 
NHKを見ていたら、このところ話題の外山恒一候補の政見放送がはじまったので、楽しく鑑賞した。この人は管理教育反対論者として、往年の『SPA!』 にしばしば名前が登場していたのを記憶している。
彼のパフォーマンスはネット上で話題になっているらしく、youtubeに放送がアップされてしまうので選挙管理委員会が困っているらしい。
実際の演説を見ると、限られた時間内でしっかり芸になっており、なかなか感心した。ありゃずいぶん練習してますよ。時間をきっちり使って喋るのはなかなか難しいものです。

唯一神・又吉イエス様が参院選に立候補したときも書いたが、供託金が安かった昔は、突拍子もない人々が多数出馬していたものである。
私はこの手の泡沫候補が好きで、小中学生の頃は政見放送や立会演説会の中継を記録していた(嫌なガキである)。テレビの前にラジカセを置いて録音するのだが、立会演説会は観客の反応もあり、政見放送より数段面白かった。

ほとんど処分してしまったが、1979年の都知事選のテープだけはなぜか保存してある。日比谷公会堂あたりで行われた立会演説会の様子らしい。数十年ぶりにカセットを聴いてみると、もう面白いのなんの。
 
当時の候補者を3人ばかり紹介します。

反ソ決死隊長・深作清次郎候補

愛国党の赤尾敏党首と並んで常連の人物。「ソ連が来たら日本は終わりだよ!」 と絶叫し、「都知事選挙だぞお」 と野次る聴衆を「黙れ乞食!」 と一喝し、時間が余ると「万朶(ばんだ)の桜か 襟の色~」 と『歩兵の本領』 を歌いだし、聴衆の爆笑と手拍子のなかで演説を終えていた。
数寄屋橋のいつもの演説と変わらぬ赤尾節より、この人の方が子供心に見ていて面白かったことを覚えている。東西冷戦期が終わり、古典的な反共主義者の方々の主張も聞けなくなりましたね。

 
雑民党 東郷健候補

お馴染み、オカマの健さん。前回の選挙(1975年・石原慎太郎が初めて立候補して落選した都知事選) の政見放送で差別用語を連発し、今回の選挙では発言内容をNHKにカットされて、裁判を起こしている。
聴衆の怒号のような野次がやまぬ中で「私のありったけの愛をこめて。私が東郷健です」 と終えた演説は凄みがあった。この人の同性愛への偏見に対する怒りは、現在なら当たり前に新聞紙上に掲載されるような意見であり、パイオニアというのは大変なのだなあと考えさせられた。

 
秋山祐徳太子候補

シルクハットがトレードマークの前衛芸術家。選挙への出馬を表現活動の一環ととらえ、選挙運動を「パロディ」「パフォーマンス」 と断言した日本で初めての人物だと思われる(注)。話が実に上手く、観客の笑いが最も多かったのがこの人だった。「東京を西東京・東東京に分け、都知事を2人つくるんです。高校野球方式でね。片方が革新、片方が保守でもいいのっ!」 などと力説していたのが楽しかった。
この人はのちに大学教授になったが、現在では日本のポップアート界の長老格になってしまったらしい。


 
泡沫候補の方々の御活躍というのは、まあ税金の無駄使いといわれても仕方がないのだけれど、それくらいの余裕がなければ民主主義の先進国と言えないような気もするんですよね。
 

注…宮武外骨っていう大先達を忘れてました。
 

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