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2006/09/26

No. Ninjas.

丹波哲郎が亡くなった。

丹波先生の大芝居は数あれど、やはり印象的なのは『007は2度死ぬ』(1967) ではないだろうか。彼の演じる日本の諜報部員・タイガー田中は、極東の地で右往左往する007号より数段頼もしく、魅力的であった。
本日のタイトルは、劇中に出てくる丹波のセリフ。ブロフェルドの秘密基地を攻撃するにあたり、「私の部下をつれてゆこう」 と宣言するタイガー田中に対して、ジェイムズ・ボンドは「コマンド部隊でも持っているのか」 と訊ねる。タイガーはにやりと笑ってこのセリフを吐き、姫路城下で訓練する部下たちのもとにボンドを案内するのである。

この映画、妙ちくりんな日本描写を小馬鹿にするむきもあるけれど、私はけっこう好感をもっている。あの時代の東京や地方都市の風景を見られるだけでも楽しいのだ。とくにボンドがオートジャイロで離陸した直後に眼下にひろがる眺め、瓦屋根の連なる街並みは息を呑むほど美しい。
 
原作者のイアン・フレミングは本作の執筆にあたり、日本を取材旅行して長文のエッセイにまとめた(注)。講道館の柔道を見学したり、小田急電車に感嘆したりと、なかなか楽しい旅だったようだ。ちなみに、この映画の脚本はロアルト・ダール。「チャーリーとチョコレート工場」 の原作者である。


注…  エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジンの別冊に掲載された。非常に面白いのだが、これは単行本に収録されているのだろうか。

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2006/09/20

新車は買えません

タウン誌の取材を受ける。学校帰りに近所の喫茶店で建築の話をしたのだけれど、ここがあまり知られていない穴場的な店であった。こんど原稿書きで使ってみよう。


NHKのバラエティ番組で、シックハウス症候群の特集をしていた。近年は規制がすすみ、建材や壁紙の接着剤から出るホルムアルデヒトは劇的に減少しているという。問題は家具に使われている合板なのだそうだ。いわれてみれば、新しい食器棚などは本当に匂いますもんね。

某週刊誌の連載に、マツダのデミオがHDDカーナビつきで99万円、という記事が載っていた。カーナビ単体の価格は30万ほどらしいので、車両価格は実質的に70万を切ることになってしまう。新車ですよ。一体どうなっているんだろう。
近所のマツダディーラーにこの車が展示されていたので、店をのぞいてみた。すごいなあ、安いけど全然壊れないんだろうなあ、と妙な具合に感心してドアを開けたら、猛烈な匂いが車内から漂ってきた。

駄目だ。私は新車には乗れん。

懸命に説明する販売員のお兄ちゃんには申し訳なかったけれど、頭がくらくらしてその場に立っていられず、ドアを閉めて早々に店を出た。
 
以前から新車の匂いは苦手だった。できたての車なんてのはシックハウスの極みではないかと思う。あれほど狭い空間で、まだ生乾きの接着剤やら各種の溶剤やら、ゴムやプラスティックの離型剤やらの混じりあった刺激臭を吸い込みつづけるわけですよ。体にいいとはとても思えない。

これだけ自動車が普及しているのだから、家だけではなく、このへんも番組で取り上げて欲しかったですね。これは民放では絶対放送できないネタなのである。


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2006/09/10

銃刀法違反

「デスノート」作画小畑容疑者を逮捕…刃渡り8.6センチのナイフ所持

刃渡り8.6センチのナイフを所持携帯していたとして、警視庁石神井署は7日までに、銃刀法違反の現行犯で、人気漫画「DEATH NOTE(デスノート)」の作者で漫画家の小畑健容疑者(37)=東京都武蔵野市境=を逮捕した。
調べでは、小畑容疑者は6日午前零時45分ごろ、東京都練馬区大泉町の路上に止めた車の中で、折り畳み式のアーミーナイフを所持していた疑い。(中略)
ナイフは同容疑者のもので、車内のコンソールボックスに入れていた。車のヘッドライトが切れていたため石神井署員が職務質問して発覚した。(後略)  
(sanspo.com 9月8日記事より抜粋)

 
小畑さんは『デスノート』 のほかに、『ヒカルの碁』 をヒットさせた人気漫画家。アーミーナイフといっても、よくある十徳タイプのものらしく、なんだか気の毒である。ヴィクトリノックスやウェンガーのアレである。銃刀法を杓子定規に運用すれば、刃渡り6センチ以上であれば、カッターだろうが何だろうがみんなお縄ですもんね。これ、別件逮捕には何とも都合のいい法律なのである。

ところでこの小畑さんの車ですが、一部では高級外車とか報道しているけれども、どうやらこれらしいぞ。わはははは。高級車だって。
 
2CVにコンソールボックスなんかないよ。ちいさい「棚」があるだけだ。ナイフを置いてたら、すぐ見つかっちゃったことでしょう。


この車に13年乗ってました。接触が悪かったのか、私の車もやっぱりライトがよく消えた記憶がある。ランプのなかに雨水が溜まって、水槽みたいになってたこともあった。

そういえば今回の事件とまったく同じで、ある晩に検問で整備不良を指摘され、ついでに車内を見られたことがあった。こんなピースな車をつかまえて何だよと思ったが、そこは国家権力、この車にカルチェラタンの、そして反体制の匂いを嗅ぎとっていたのかもしれん。
私は暗闇の中で愛想笑いをしながらトランクを開け、ストックしているパーツやガラクタを次々と表へ積み上げていった。懐中電灯で照らしていた警官は面倒くさかったか、「あー、もういいです」と、すぐに放免してくれましたが。
 
 
 

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2006/09/07

重圧

深川の取材。帰路、妻と待ち合わせて月島でもんじゃを食べる。もんじゃストリートというのをはじめて歩いたが、ちょっとした見どころを発見しました。次回にご紹介します。
 
 
さて、本日ご誕生の「彼」ですが、どういう人生になるんですかね。

英会話の授業で「あなたは何になりたいですか?」 とバイニング夫人に問いかけられたとき、さまざまな職業を挙げて答える同級生に対して、彼の祖父は頑として「私は天皇になる」 としか答えなかったという。

どこか哀しく、やるせないエピソードだが、それでも祖父には弟宮がいたのである。
 
 
 Dsc09826

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2006/09/05

セーラー服と機関銃

新聞によると、長澤まさみで『セーラー服と機関銃』のドラマを撮るらしいですね。

薬師丸ひろ子がデビューしたのは私が中学校2年のときである。若い人には想像つかないでしょうが、それはそれは人気がありました。ありゃなんだったんだろう。
もっとも、ああいう南洋系ファニーフェイスというのは、時代を超えて人気があるのかも。最近では堀北真希という人がそんな感じですね。ミンダナオ島の青空市場で働いている娘さんみたいというか。

ちなみに相米慎二の撮った映画版は、考えてみればアイドル映画としてはきわめて暗鬱なストーリーであった。赤川次郎の原作から逸脱してはいないのだが、小説の持っていた軽妙な雰囲気はすっかり削ぎ落とされていたのである。あれはもう相米監督の本質的な部分なんでしょうね。
 
個人的には、あの映画の魅力は狂犬・渡瀬恒彦の存在につきます。
(たいていの役者は年をとれば温和なイメージになるのだが、この人だけは今でも善人役が似合わないと思う。ホームドラマで微笑んでいても、見ていて不安でしかたがない)

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2006/09/02

昼酒はなんて楽しいんだろう

ライター仲間の知人と3人で、吉祥寺の『いせや』 で立ち呑み。

週末にこの店に来たのは久しぶりである。9月末の改築を控えてか、若い人で結構混み合っていたけれど、それ以前に吉祥寺という街自体の混雑っぷりにめまいがした。こんなに人の集まる街だったっけ。

平日の日中にグラスをあおる背徳感はありませんでしたが、やっぱり気持ちのいいものです。旅や出版の話を肴に楽しく呑みました。

 
多摩図書館から取り寄せた『観光百選記念 名勝俳句選集』(毎日新聞社) を読む。昭和25年、毎日新聞社が公募した全国100の観光地にちなんだ俳句集で、こちらも一般から募集したもの。
この句集、撰者が凄いのなんの、飯田蛇笏、高濱年尾、山口誓子、富安風生、水原秋櫻子だよ。この観光100選というイベント、当時としてはかなり力の入ったプロジェクトだったようだ。
 
ちなみに1952年出版のこの本、国会図書館以外では多摩図書館にしか置いていなかった(都立図書館にもなかった)。どうやら書庫の奥の奥から引っ張り出してくれたらしい。
 
 


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2006/09/01

防災の日に思う

小中学校のとき、理科の実験というのがありました。

薬品を暖めたり、リトマス試験紙にひたしてみたりと、さまざまなことをやっていたのだが、実際のところそれが何を意味したのかさっぱり思い出せない。面白かったけどね。
薬品を加熱するとき、ガスバーナーやアルコールランプを使った。五徳をおき、上に金網を置いてから三角フラスコを置くのである。金網の真ん中にはフラスコを乗せるコースターのような場所があって、ここをこすると白い粉が指先についた。両手ではさんでパンパンと叩き、煙があがると喜んでいる者もいた。

あの道具、石綿金網という名前でした。アスベストだったんだよね。ああ怖い。

アスベストの害が叫ばれるようになり、公共建築を中心にあちこちで除去作業が行われている。鉄道の車両でもブレーキパッドや断熱材としてアスベストが多用されてきたそうで、古い車両は近年対応がなされているらしい。
 
全国各地でふるいSLの観光列車が走っていますね。蒸気機関車というのは動くボイラーなわけだが、内部にやはりアスベストが使用されている。鉄道ライターの友人に聞いたところ、ここ数年で除去・改造工事が進んでいるという。彼がその話をイギリス人の鉄道ファンに話したら(英国は鉄道車両の保存が盛ん)、「イギリスでも問題になったよ、もう十数年前だけど」 と笑っていたそうだ。

各地で続くアスベストの除去作業。でもねえ、まだ数十、数百万軒もの民家で使われているのだし、考えたくないが、大地震がきたら否応なしに舞い上がるわけである。あんまり神経質になるのもなんだか空しいような気もするんだよね。
 
ちなみに、石綿金網はセラミック製のものに変わり、現在は学校では使用されておりません。
 
 

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