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2006/06/22

SYOGUN

アメリカのTVムービー、『将軍』 の話の続きです。

イエズス会の宣教師、フランシスコ・ザビエルが来日してキリスト教を日本に伝えたのが1549年。ときは戦国時代だったが、大名から農民まで数多くの日本人がキリスト教に帰依している。どこまで本当か分からないが、ザビエルが最初に平戸の辻に立って説教を始めた直後から信者になる人々が殺到したというから、まあ有能な人物だったのだろう。
 
イエズス会はキリスト教のカトリックに属する。プロテスタントの伸張を目にしたイグナティウス・ロヨラという人が、「いやあ、俺たちカトリックは腐敗してたなあ。気を取り直してさ、いっちょ未開の国に行って布教してみようじゃないの」 と考え、その一党がアジアにやってきたのである。ロヨラの片腕となって働いたのがザビエルで、インドから中国、そして極東の島国にやってきた。日本に初めて伝わったキリスト教は、カトリックだったわけである。
このイエズス会、何人もの有力者を信者にしたのはいいけれど、ちょっとやりすぎてしまったんですね。大村純忠という大名は長崎を教会領として寄進し、イエズス会側もそれを当然のこととして勢力を広げようとしたものだから、のちに秀吉の怒りを買って大弾圧を受ける原因となります。

このドラマの主人公、ウィリアム・アダムスは、オランダ船に水先案内人として乗り組んだ人物。オランダはプロテスタントである。

学校で勉強したイメージが強いせいか、日本人は妙にザビエルに親近感を持ってしまうが、この映画ではイエズス会の宣教師が徹底的に悪く描かれている。主人公に意地悪するし、スペインの貿易船と手を組んで大もうけしているし。プロテスタントの国・アメリカの人々にはそのほうが受け入れやすいんでしょうね。
(最近は国内のヒスパニックが増加してプロテスタントの割合は減っているが、やはりカトリックよりは圧倒的に数が多い)

ちなみにこのオランダという国、のちに江戸幕府の役人にうまいこと言って、カトリックの勢力を日本から追い出すことに成功する。以後、幕府の崩壊まで250年以上、対日貿易の利益を独占したものだから、他のヨーロッパ諸国に毛虫のように嫌われることになった。それはそれは儲かったらしい。貿易の利を失うことを恐れるあまり幕府の屈辱的な扱いに耐え、天草の乱のときには、海上から船で一揆側を砲撃までしている。
(同じキリスト教徒なのに。これはずいぶん非難されたという)

『将軍』 で描かれているヨーロッパ人同士の対立と確執は、日本の時代劇では絶対に描かれないものである。もし機会があればご覧いただきたいと思う。TVムービーと馬鹿にしてはいけない。こういった面白みが、『ラストサムライ』 にはなかったんだよね。

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