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2006/02/04

呑み屋横丁のはなし

場所は少々説明しづらいのだが、サンシャイン60の南側あたりに、80年代初頭の再開発に取り残された地域があって、昔ながらの商店街の奥にさまざまな飲食店が並んでいる。幅3メートルほどの路地である。
50メートルほど続くその路地の両側に連なる店々は、ほとんどがカウンターだけの一杯呑み屋だ。どれも海の家のようなつくりで、窓ガラスもドアもない。腰までの壁板はあるのだが、上は吹き抜けで店内の様子が見える。戦後の闇市を思い出させるような雰囲気である。4人も並べば満席のカウンターの向こう側には、おでんや天ぷらなどの食材がところ狭しと並び、店員は料理と通りを歩く人々への呼びこみに忙しい。
意外と知られていないのか、ここは夕暮れ時になってもそれほど混雑することはない。店々の天井につるされた白熱灯がぎらぎらと輝き、カウンターに並んで日本酒のコップをかたむける客の顔を赤く照らしだしている。日焼けした作業服の男がいて、コートを羽織った初老のサラリーマンがいて、なぜか柔道着の男もいる。大声をあげたり酔態をみせる者はおらず、みな一様に無言だ。
私が子供の頃からよくここに来るのは、この呑み屋横丁の先に問屋街があって、玩具の問屋が集まっている場所があるからなのだ。ここに行くと、近所の玩具店で見なくなってしまったおもちゃや、懐かしいプラモデルがいくらでも見つかる。別に買うわけではないのだが、見ているだけで楽しいのである。


という夢を、最近まで年に2・3回見ていた。中学校の終りごろからなので、もう20年ほど続いているだろうか。
 
すみません、これ、みんな夢の話なのでした。


昨夜、2年ぶりぐらいでこの夢を見たんですね。
サンシャイン60を出て(しかしどうしてサンシャインなんだろう) この呑み屋横丁へ向かっている私。もう自分でも夢だと分かっているのだが、久しぶりに眺める風景が懐かしくて気分が高揚し、小走りになっているのだ。

例の横丁に近づくと、以前と雰囲気が異なっているのに気がついた。工事用の赤コーンが並べられ、通りの奥には入れない。路地にはひと気がなく、ブルーシートで覆われている店もある。遠くにクレーンと重機が置かれている。
呆然と眺めている私に、警備員が無表情で近づいてきて、暗い声でいった。

「ここはもう入れないの。マンションが建つんだ」

おいおい、夢の中でまでそれはないだろうよ。私は目を覚まし、寝室の天井を眺めながら苦笑した。




001

先月末に発売になった、『荷風!』(日本文芸社)の第7号です。御茶ノ水・神保町特集なんですが、先号にひき続いて建物歴史探訪のページを担当しています。
今号は結構売れているようです。書店で見かけたら、ぜひご購入ください。

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コメント

ありゃ。だまされました。。。
池袋は朝からやってる飲み屋が
いくつかありますよね。
きちんと朝から赤い顔したお客が入ってます。
ザ・下町です。

私も小さい頃何度も見た夢があります。
私があられちゃんになって
スッパマンにさらわれた姉を助けに行くんです。
結末は見たことがないんですよ。
つづきがみたいな~

ところで雑誌、手に取りたくなる表紙ですね。
今度見てみま~す♪

投稿: とまこ | 2006/02/04 23:44

とまこさま

子供の頃から見つづけている夢って、
他にもいくつかあるんですよね。
少しずつディテールが変化しているんですが。

今号の「荷風!」は、特集がよかったみたいですね。
他社でも同じ地域を特集しているのがありましたが、
こちらのほうが混沌としていて(笑)面白いです。

投稿: ユウユウ | 2006/02/06 00:19

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