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2005/12/18

吉村昭さんを見に行った

作家・吉村昭のトークショーを夫婦で見にいった。朝日新聞に夏まで連載されていた小説、『彰義隊』 の単行本出版記念の企画らしい。先週だったか、新聞の文芸欄の広告でこのイベントを知って、あわてて申し込んだのだ。
私はこの人の傑作『戦艦武蔵』 を小学生のときに読んで以来、もう大ファンなのです。『高熱隧道』『漂流』『破獄』『羆嵐』(表紙が怖い)などは、何回再読したかわからない。一番好きな作品は、幻想味の濃い『水の葬列』 という話で、こちらは純文学色の強い短編である。

会場は東京駅北口の丸善。その昔、国鉄本社ビルのあったところだ。予約しておいた単行本を購入し、整理券を貰ってホールに入ると、40人ほどの聴衆が集まっていた。先着100名となっていたのだが、意外と空いてる。まあ今日は寒いしね。
『彰義隊』の挿絵を担当した画家・村上豊さんとともに壇上に上がった吉村さんの話は、取材の苦労や作品中であえて描かなかったエピソードなど、なかなか興味深い内容であった。村上さんの話も面白く(来年2月にNHKの『課外授業・ようこそ先輩』 に出演されるという)、あっというまに予定の1時間が経ってしまった。
 
 
s-s-yoshi  
挿絵の村上豊さん(左)と。
会場の大半は年配者でした。

吉村氏は1927年生まれ。今年で77歳になるが、新作執筆の際は今でも一人で日本中を取材して回っているらしい。実にお元気で、年齢より10歳は若く見える。取材のたびに刑事に間違えられたという鋭い眼光は健在でした。
自著の『漂流』 の話をするときに、『ショーリューの取材で』 と発音して、司会者が「えっ?」 と聞き直していたのには笑った。東京の人なので(日暮里生まれ)、「ヒ」 と「シ」 の区別があいまいなんですよね。「アサシ新聞」 とも言ってましたな。 
(私の父親も同じだった。生前、電話口で「はい、しろおかです」 と言っていたのを思い出す)

トークショーとサイン会の終了後、店内で買い物をしてから店の外に出たら、丸の内北口に向かう歩道で、コートを羽織った吉村先生が花束を手に信号を待っていた。吉祥寺にお住まいなので、おそらく中央線で家へ帰るのだろう。われわれは特別快速に乗ってしまったので、一緒にはなりませんでしたけどね。

いつまでもお元気でいてください。

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