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2005/10/07

NHK『ハルとナツ』 感想 

NHK放送80周年記念ドラマ、『ハルとナツ~届かなかった手紙~』 を5夜連続で鑑賞。こういう歴史翻弄モノのドラマはつい見てしまうのだ。しかし橋田壽賀子という人は凄い。もう80歳でしょ。

さて、今回のドラマで興味深かったところ。
 
 
テンポの速さ
話の進み方が早いこと早いこと。1年続いた『おしん』 と違って、戦前から戦後までの人生、それも2人分をたった5回で終わらせるのだから大変である。大河ドラマの総集編みたいだ。登場人物がみんな長患いすることなくポックリ死ぬのも、話を停滞させないためなのだろう。バアさん編のシークエンスは、もうすこし切り詰めてもよかったのでは。

勝ち組の描写
一緒に見ていた妻に、「南米の移民や強制収容所の民間人には、敗戦を信じない人たちがおってのう」 などと説明していたのだが、ハルのおやじがそんな感じになってきたので期待して見た。経済的問題もふくめ、現実はもっと壮絶な対立に発展したのだけれど、まあ雰囲気は出ていたと思う。村田雄浩が好演。

テロップ
視聴者を混乱させないためか多用していたが、人名以外にも「天皇陛下の赤子」(注) なんてセリフにもテロップが入っていた。少しは説明しないと若い人はわからんのではないか。

米倉涼子のでかさ
かわいいらしいブラウスを着て畑の間をどすどす歩く姿が印象的。プロポーズしてきた男が小柄なのでよけいに目立ってしまったが、終盤にさらにでかい高島兄ちゃんが登場したのでほっとした。米倉さん、なかなか頑張っていたのではないでしょうか。
 
ハルの少女時代を演じた子役
ハの字眉毛の子。あんな顔の子をよく見つけてきたものだ。よく見ると藤田朋子に似ているので、橋田ドラマで親子役でもやればいいかもしれない。

石橋凌
何をやっても石橋凌。あいかわらずキバりすぎ。

 
作品の出来不出来はともかく、やはり民放と比べると金のかけ方が(かけどころというか)違いますね。
 
 
 
注… 天皇陛下の赤子(せきし)  儒教思想の日本的解釈の好例。天皇に尽くすことは、「忠」 の精神の発露ですね。忠君愛国ってくらいですから。でも他人である天皇のために戦争に行って、実の親より先に死んでしまったら親不孝者になってしまい(逆縁といいますが)、「孝」 の精神に反します。だから天皇を親として、「親のために命を捨てる」 という概念をつくりあげたわけ。近代日本の、とくに戦時中のドグマとして紹介されることが多いが、こういった外来思想の取捨択一と改変は日本の伝統でもあるので、とくに珍しいことではない。


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