« アニー・レノックス | トップページ | 罪を憎んで人を憎まずというけれど »

2005/05/15

プロ野球の

交流戦がはじまりましたが、残念ながら期待していたほど面白くないですね。
これがJリーグ開幕の年に実現していたら、ずいぶん違った結果になっていたような気がする。プロ野球という競技が、スポーツファンや視聴者の選択肢のひとつに過ぎなくなってしまった今の野球選手は気の毒である。

所沢の野球場でアルバイトをしていた大学時代の話だ。たしかオープン戦の時だったと思うが、私が通路で入場客の案内をしていると、業務用の通路から白いトレーナーにジーンズ姿の大柄な男がやってきて、場内の自販機でタバコを買おうとしていた。どうやら休憩中のバイトらしい。従業員が客用の施設を使うことは禁じられていたので、私は声をかけた。

「おーい、社員がそこの販売機は使うなってさ」 

小銭を手にした男はこちらを振り返り、睨みつけた。私は勘違いに気がついてすぐ彼に謝った。

男はファームの選手だったのである。スタジアムに併設された小球場では、二軍のリーグ戦が行われている。選手寮もすぐそばにあって、施設内でファームの選手をみることも多かった。

怒鳴られでもするかと思ったが、彼は下を向いて舌打ちすると、無言で去っていった。立ち去りぎわに何ともいえない淋しそうな表情を見せたのが印象的だった。
ドラフト1位で入団した選手だったが、彼のポジションには常にベテランの選手が活躍していて、あまり1軍で上がる機会がなかったのである。いわゆる「2軍で茶をひいている」 多くの選手の一人だった。おそらく彼も数年のうちに引導を渡され、この世界から姿を消すのだろう。
毎年入団する選手と同じ数の人間が、押し出されるように去ってゆく。球団職員や解説者など、業界に残って仕事ができるのは1軍選手の中でもごく一部だけである。私と同年代らしい、あまり器用そうではないあの男は、野球を離れた時どうやって生きてゆくのだろうか。彼の大きな背中を見送りながら、私は思った。

世の中分からないもので、彼はそのまま消えてゆくことはなかった。努力もしたのだろうが、実は世渡りの上手さももっていたのだろう。のちにセ・リーグの人気球団に移って数年活躍し、その実績を武器に引退後タレントとなった。正直言って好きなタイプではないが、テレビで彼を見かけると、いつもあのときの表情を思い出す。
 
 


4872575334

『Peace Tour』  ユーリズミックスの輸入版DVD。アマゾンで注文したら1日で届いた。客席に手をふり微笑むアニーは、若い頃より数段魅力を増していました。

|

« アニー・レノックス | トップページ | 罪を憎んで人を憎まずというけれど »

「スポーツ」カテゴリの記事

コメント

見てるTV番組や、見てるカードによっておもしろさは変わるかもしれませんが、関西在住の阪神ファンとしては、交流戦を大いに楽しませていただいていますよ。

投稿: kamu | 2005/05/15 19:53

kamuさんはじめまして。

いや、変な書き方をして申し訳ないです。確かに個々の試合ではいいゲームもあるんですが、何というか、イベントとしてもう少し社会的に盛り上がるかと思っていたんです。それが何だか歯がゆいんですよね。私の勝手な思いこみなんですが。

kamuさんは阪神ファンなんですね。私は西武球場でバイトをしてたんですが、85年に西武球場にきたタイガースナインと、スタンドを埋め尽くすファンはもう一生忘れられません。あれはすごかった。
(正直なところ、球場の4分の3はタイガースファンでした)

投稿: ユウユウ | 2005/05/15 21:33

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/81538/4134799

この記事へのトラックバック一覧です: プロ野球の:

« アニー・レノックス | トップページ | 罪を憎んで人を憎まずというけれど »