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2004/12/29

津波の恐怖

pipi1
Ko pipi Jan. 2000

 
中学校の地理の教科書には、「災害の多い日本列島」 というページがある。地震や火山の噴火、津波、台風、高潮など、この国に多くの犠牲をもたらしたさまざまな災害について教える項目だ。
7・8年前から、授業でこの内容にふれるときに必ず話していることがある。

「砂浜で遊んでいる時に地震を感じたら、すべてを捨てて海と反対の方向に全速力で走りなさい」 ということである。そしてこうつけ加える。

「海の水がどんどん沖へ引いて行くところをぼんやり見ていたら、それは恐らく君が見る人生最後の風景になるだとう」 と。

「Tunami」 が国際語となっているということを今回の報道で知った方も多いと思うが、日本は世界有数の津波被害国である。最初は笑って聞いている生徒たちも、明治29年に三陸海岸を襲った大津波(岩手県だけで死者20000人を超えた) や、奥尻島の惨事や、太平洋を越えて襲ったチリ地震津波の話を聞くと神妙になってゆく。過去多くの日本人が津波の被害を受け、それが現在の防災体制につながっているということにも触れる。
「地震が発生しました。海岸部の方は念のため海から離れて下さい」 というニュース速報の常套句が、多くの人々の犠牲から生まれたことを子供たちに知って欲しい。海遊びを愛するようになってから、その思いはさらに強まった。

今回の悲劇を目にして、正直呆然としているのである。4年前の年末年始を過ごした、タイのピーピー島の惨状を見るのは本当につらいのだ。壊滅的な被害を受けた島の中央部は商店や安宿が集中し、バックパッカーが多く集まる場所だった。ツアー旅行ではない日本人もかなりいたと思われるが、その生死を完全にチェックすることはまず不可能だろう。ここにいた日本人が10人や20人ということは絶対にない。

ニュースを見ていてひとつ気づいたことがあった。
津波を知らない現地の人々が無防備だったのは仕方がないが、滞在している日本人の中にも津波に対する知識の薄い人々が多いらしいということである。これには驚いた。
子供連れの観光客が、沖合いに急速にひいてゆく海水を、「海の水がへっていまーす」 といいながらいつまでもビデオ撮影していて、その映像をニュースで流している。TVを見ていて鳥肌が立った。次になにが起こるかを知らず、波がやってくるまで逃げないのである。日本で津波のニュースを見たことがないのだろうか。地震速報のたびに繰り返される津波という言葉に、一度も関心をはらったことがないとしか思えない。

津波は怖い。本当に怖いのである。大人たちが率先して知識を持たないと。

 

tunami
吉村昭 『三陸海岸大津波』 (文春文庫)。
5月7日の日記でも触れましたが、おそらく今回の災害で増刷されると思われます。書店にあったらぜひ購入して下さい。
日本人必読の書だと思います。


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